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"Small is Beautiful" その2 Human Face Technology

  13, 2018 10:55
シューマッハ

第2回 生産の問題 許せぬ「自然資本」の浪費
現代の最もおおきな問題の一つは、工業化の進化が自然を食いつぶしている点であり、その環境破壊がもはや手を付けられない段階に達しているということである。これについては環境保護の動きが加速されているが、その破壊の背後にある人類の考え方の問題点は未だ解決されておらず、この点に関するシューマッハ氏の指摘について言及したい。

「・・・かれこれ25年間(この本が出版されたのはかれこれ50ほど前である)の人類の産業過程における質量両面にわたる変化は、まったく新しい状態を生み出した。しかもそれは、われわれの失敗によってではなく、偉大な成功と考えられるものによってもたらせられた状態なのである。そして、これは非常に突然やってきたので、恵み深い自然が常に備えている許容限度というべきかけがえのない資本を急速に使い果たしているということにほとんど気づかなかった。・・・私が強調したいのはごく単純な事柄である。すなわち、毎年、何十億トンという化石燃料を原子エネルギーによって代替してゆくという考え方は、環境問題を作り出すことによって燃料問題を「解決する」ことを意味するものであり、このような恐ろしい環境問題に対して不安感を持つのはデービッド博士(ニクソン大統領の科学顧問)ただ一人ではないということである。それは一つの問題を他の分野に転嫁することによって解決を意味し、無限により大きな問題を作り出すことになる。・・・現代の生産の方法が産業人の体質そのものを蝕んでいることは明白ではないか。・・・人間の体質はGNPによって計られうる問題ではない。おそらくそれは、確かな実害の症状を除いては、決して測定できない。しかし、犯罪、麻薬中毒、文明破壊行為、精神異常、反乱などの症状についての統計をここで調べようとは思わない。統計などなにも証明しないのである。私は、われわれの時代の最も致命的な誤謬の一つは生産の問題が解決されたと思い込んでいることであると冒頭でのべた。・・・では、私の立場とは一体なにか。簡単にいえば、われわれのもっとも重要な仕事は危険な衝突を食い止めることであると言うことに尽きる。・・・われわれは問題を完全に理解し、新しい方法と新しい消費形態による新しい生活様式、すなわち永続性のある生活様式を展開する可能性をみつけなければならない。三つの初歩的な例を挙げるなら、農業と園芸において生物学的に健全な生産方法で完璧を期すこと、土壌を肥沃にすること、そして健康と美と永続性を作り出すことに関心を向けるべきである。そうすれば、生産性はおのずから育つだろう。産業においては、小規模の技術、比較的危なくない技術、“人間の顔をもった技術”の開発に関心を向けることができよう。そうすれば、人びとは給料袋のためだけに働き、休暇の時を独り楽しむことを願って常にわびしく働く代わりに、働きながら楽しむ機会を持つだろう。近代生活のペースを設定する産業についてもう一度言えば、経営と人間との間のパートナーシップの形態、共同所有権の形態に関心を向けることができる。・・・われわれ人間仲間とだけではなく、自然を作り人間を作ったより高次元の力と平和裏に生きることを学ばなければならない。なぜなら、われわれは偶然に生まれたものでもなく、自分で自分を作ったものでもないことは明らかであるからである。・・・われわれの経済生活の永続性についてなにがしかの保障がなくて、どうして平和が建設されようか。」

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