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武士道-その11 「人に勝ち、己に克つために」

  30, 2018 18:02
武士道の世界

11.人に勝ち、己に克つために

(1)サムライは、感情を顔に出すべからず
「・・・本当のところ私達日本人はこの世界のどんな民族にも負けないくらいに優しい感情をもった民族なのである。・・・(しかし)サムライにとっては感情を顔に表すことは男らしくないと考えられた。立派な人物を評するとき、「喜怒を色に表さず」という言葉がよく用いられた。・・・ある機智に富んだ青年は、「アメリカ人の夫は人前で妻の口づけをして、私室で打つ。しかし日本人の夫は一前で妻を打って私室で口づけをする」といった。この比喩の中にはいくらかの真実があるかもしれない。・・・」

(2)なぜ「寡黙」がよしとさせるのか
「・・・ある若きサムライはその日記に次のように書いている。「汝の霊魂の土壌が微妙なる思想をもって動くを感ずるか。それは種子の芽生えるときならん。言葉をもってこれを妨ぐるな。静かに、秘かにこれをして独り働かしめよ」と。多弁を弄して心の奥底の思想や感情、特に宗教的な感情を述べるということは、私達日本人にとっては、その行為自体があまり深刻でもなく、また誠意に欠けるしるしであるとされる。よく知られていることわざは、「口を開けて腸を見する柘榴かな」といっている。・・・日本人には自分の性格の弱点を厳しく突かれたときでさえも常に笑顔を絶やさないという傾向がある。・・・というのは日本人の笑いには、なんらの状況の激変によって心の安らかさがかき乱されたとき、もっともひんぱんに心の平衡を取り戻す努力をうまく隠す役目を果たしているからである。まことに笑いは悲しみや怒りのバランスであえある。このように感情を抑えることが常に強いいられるために、感情の安全弁は詩歌に求められた。十世紀のある歌人(紀貫之)は「かようの事、歌このむとてあるにしもあらざるべし。唐土もここも、思うことに堪へぬのわざとぞ」と書いてある。・・・」

(3)心を安らかに保つために
「・・・克己の理想とは、日本人の表現方法によれば、心の安らかさを保つことである。またギリシア語によると、デモクリトが究極的な善とよんだエウテミア(「快活」)の状態に到達することである。・・・」
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